胆のう結石症とは
胆のうに石ができ、あらゆる症状(痛みなど)が引き起こされる疾患の総称です。無症状のこともあります。
原因
肥満や糖尿病、脂質異常症、急激なダイエット、感染症などによって、肝臓で生成される胆汁(脂肪消化酵素)に含まれるコレステロールやビリルビン(血液の老廃物)が胆のう内で結晶化することで発症すると言われています。
しかし、中には原因が分からないものもあります。
症状
典型的な症状として、油ものを食べた後に、右肋骨の下辺り(右季肋部:みぎきろくぶ)の痛みが挙げられます。中には、胃周辺の痛みや背部痛、肩の痛みが現れる方もいます。罹患者の約50%は、胆石が胆のう内で作られても自覚症状に乏しいです。
診断と検査
まずは腹部超音波検査を受けていただきます。エコー像から石(コメットサイン)があると分かった状態で、かつ痛みなどの自覚症状がある場合は、血液検査で炎症反応の有無を調べたりCTやMRI、内視鏡検査を行ったりする場合もあります。
治療
胆石以外の原因が見当たらない腹痛や、黄疸(おうだん:身体が黄色くなる症状)、発熱があった場合は、手術などの治療を受けていただくこともあります。
抗生物質を用いて炎症を一時的に抑えた後、また同じような症状がみられた場合(再燃)でも、手術を選択します。
腹部手術を受けたことがない患者様でしたらほとんどの場合、手術は「腹腔鏡下胆のう摘出術(手術による傷や身体への負担が小さく済む術式)」で行われます。
また、胆のうを切除した後の食生活ですが、手術を受けても消化吸収への影響は特にありません。
手術後は、肝臓と十二指腸の間に位置する総胆管(そうたんかん:胆汁の通り道)の幅が通常より太くなりますが、特に心配することではありません。
胆のう結石症と胆のうがん
胆のう結石症の治療として手術を受けた方の中には、胆のうがんが発見された方もいます。
発見される確率は0.5%程度だと言われています。 早期の胆のうがんでしたら経過観察の対象になります。
しかし、進行している胆のうがんでしたら、肝臓や胆管などの追加切除が必要になることもあります。胆のうがんを発症している方の約50%は、胆石症も併発していると言われています。